この世の中には運命の分かれ道というものが必ず存在します。あの時ああしていれば、あの時こっちを選んでいれば。そんな人生の分かれ道も時が過ぎるにつれて色褪せ、ただのほろ苦い思い出として記憶の底に沈んでいきます。しかしそれが生死を分かつ分かれ道だったとしたらどうでしょう。
これから二つの物語を紹介します。一つは74名の尊い命が失われた悲惨な物語、もう一つは絶体絶命の窮地から無事生還、150名の乗客の命を見事に救った奇跡の物語です。 この二つの物語に登場する人々の運命を分けたものは何だったのか。それぞれの物語で運命の鍵を握っていたのはパイロットであり、とりわけ機長の決断する力だったのです。 この二つの物語を読み比べていただければ、その力の差は歴然です。そしてその「差」こそが、パイロットの「落ちない力」を読み解くための絶好のヒントになるはずなのです。
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